ライナーノーツ
このTrioのはじまりは、2013年4月7日。もうすぐ10年にしてやっとアルバムにすることが出来た。何年も前からCDにしたい思いは山々であったが、このトリオ、ライブのたびに同じ曲が全く違うものになるし、今日が最高だったと毎回感じる。どこかの時点で、今、CD化すると決められるのか、不可能に思えるのだ。しかし、もう四の五の言っていられない、決めるしかない!と、2日間のライブレコーディングを決行した。 果たして、小美濃悠太・岩瀬立飛両氏は、縦横無尽に駆け巡り、音楽に魂を傾けてくれた。私が書いた曲をよい音楽にするべく、お二人がエネルギーを注いでくれる。こんな幸せなことはない。 レコーディングを心待ちにしていてくれたオーディエンスにも恵まれた。 もう一つ、踏み切れたのには、五島さんという凄腕エンジニアの存在が大きい。このトリオのスタジオ録音という選択肢は私にはなかった。かといってライブ録音は難しすぎると思っていたが、神業を持つ人が現れたのだ。 やはりライブなので、いろんなことが起こっている。それらもひっくるめて、楽しんでいただけるとうれしいです。 その後のライブでは、やはりまた、今日が今までで最高によかったかも、と思う演奏が続いているのであった。なので、またライブでも聴いてください。 高田ひろ子
1. 秋音(Akine):秋の気配が濃くなった頃書いた曲。都市の中心部から自然豊かなところに引っ越した。喧騒から一転。シーンと静かな中、虫や鳥の声に耳を傾ける日々。そんな環境に影響を受けたのかも。
2. ペルセウス流星群(Perseid Meteor Shower):毎年8月に現れる流星群。ある暑い日の午後、ニュースで流星群が来ていることを聞いた。昼間で星は見えないけれど、今、頭上の空をヒューンヒューンと星が流れているのか、と想像したら楽しくなった。
3. 桜、散る(Falling Cherry Blossoms):何もかも色を失うような冬が苦手で、春、桜が散ってしまうと、夏の気配さえまだないのに、冬が来るのを恐れ、次の春をすでに焦がれてしまう。この曲と5はD-musicaからリリースしている安カ川氏と橋本氏とのトリオの2ndアルバムにも入っている。
4. Es muss sein:Noriko Suzuki率いるBe-Spellの『存在の耐えられない軽さ』〜ミラン・クンデラの小説に基づいた音楽作品〜のために書いた12曲の中心的存在の曲。全曲、服部太郎氏の詞との共作だが、これは曲が先に出来た。ベートーヴェンが譜面に書き残した言葉で、小説の中で繰り返し出てくる。It must be. そうでなくてはならない。
5. 遠い道程(A Long Way to Go):息子が小3の頃、ライブでこの曲を聴いて「遠い道程って感じだね」と生意気なことを言った。言い得て妙。で、タイトル決定。このテイクでは、立飛氏が歌ってくれているのがうれしい。くねくねと長い道程をだんだんと登っていく。ライブならではの盛り上がり。
6. 1003:タイトルが決まらない。できた日が10月3日。でも最早、1003がタイトルとしか考えられなくなった。オルゴールのような曲。年々シンプルになってゆく。イメージを提示するだけのテーマ、でもそこには歌があり、ずっとその歌が流れている、というのが理想だ。
Design北川 正 (Kitagawa Design Office) http://kitagawadesignoffice.blogspot.jp/
|
|||||||
会社概要 | 個人情報保護ポリシー | 特定商取引法の表記