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アルバムインフォメーション

 

『The Single Petal of a Rose』
DMCD-20税抜2381円+税

 

 

 

D-musica 第20弾 『El Cant Dels Ocells(鳥の歌)』 西山 瞳(p),安ヵ川大樹(b) DUO
『強い祈りが安ヵ川さんの弓に乗り移った一枚です。彼が数年前に勉強にいらした時、

もう既に確かなボーイングのテクニックをお持ちでした。

音楽家にとって一番大切な心とテクニックの融合がその時から始まり、

今大きく動き出していると確信します。

ワイン片手に聴き始めたのにその手が止まってしまいました。改めて安ヵ川さん乾杯!!』

NHK交響楽団首席コントラバス奏者 吉田秀氏



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Live Information

 

 


 

 

ライナーノーツ

 

 

 ピアノとベースのデュオ・アルバムである。デューク・エリントン&レイ・ブラウン『ディス・ワンズ・フォー・ブラントン』(72年 Pablo)から、キース・ジャレット&チャーリー・ヘイデン『ジャスミン』(2007年 ECM)に至るまで、数多くのデュオ作がジャズ史を彩ってきた。デュオには様々な組み合わせがあって、それぞれに魅力があるが、モダン・ピアノ・トリオの2つの楽器から成るピアノ&ベースの場合、お互いによりサポーティヴな関係を築くことができる。またトリオ・マイナス・ドラムスであっても、トリオに近い流れを生み出すことも可能な編成だ。
西山瞳はテナーサックスやボーカルとのデュオ活動を続け、ギタリスト馬場孝喜とのデュオ成果は本作と同時期にリリースされる『アストロラーベ』に結実している。安ヵ川大樹は昨年、8年ぶりのソロ・ベース作『Voyage』をリリース。トリオ編成では石井彰+大坂昌彦とのシーン・オブ・ジャズでコンスタントにレコーディングを重ねている他、小曽根真、木住野佳子、アキコ・グレース、高田ひろ子、川上さとみ等、多数の作品に参加し、著名ピアニストからの信頼も厚い。ところが意外なことに安ヵ川がデュオ作に取り組んだのは今回が初めてなのだ。プロ・キャリア20年にしてのチャレンジを実現するべく、パートナーに指名したのが西山である。2人は2007年からデュオのライブ活動を継続し、加納樹麻(ds)が加わったトリオでも共演してきた間柄。初めて西山と2人だけで音楽を作った時から、安ヵ川はいつかレコーディングしたいとの思いを持っていて、西山と前所属レコード会社との契約満了後、昨年12月に満を持してスタジオ入りした経緯がある。生楽器に適した音響と寛いだ環境に定評のあるビクター・サウンド・ビレッジ山中湖スタジオが同月にクローズすることが、その直前の制作を後押しした。
 スタジオにはブースも完備されているのだが、安ヵ川は敢えてピアノと同じメインルームで録音。ベースの弓弾きの音色の良さと、デュオ・サウンドの一体感を優先させた選択だったのだが、それは同時に部分的な差し替えができないリスクを伴う。一発録音の緊張感が、本作では良い結果に作用したことは、演奏を聴き進めるにしたがって感じられるはずだ。全10曲は西山と安ヵ川のオリジナルが各4曲と、カバーが2曲。「White Cloud Mountain Minnow」は本作のために西山が書き下ろしたナンバーで、ピアノとベースが共鳴し、呼応するテーマから引き込まれる。同じく本作が初出の「Waiting For No One」は西山の持ち味であるメランコリックな旋律の引き出しを開けたバラード。主旋律がピチカートへと移って、再びピアノに移行するスムーズな流れに、息の合ったデュオの真髄を聴く。2008年に西山が山中湖を訪れた際、ピアノを使わずに書いたという「Lakeside」は、自然の豊かさと感謝の気持ちが伝わってくるような演奏だ。「Face Of Yesterday」は様々な楽器との共演で演奏してきた、ライブのレパートリー。ピアノとアルコ・ベースが幻想的な雰囲気を醸し出し、ピアノの主旋律がヨーロピアンな都市の風景をイメージさせる。安ヵ川の楽曲に関しては、弓弾きを受け継いで楽曲の世界を深めるピアノが見事なセルフ・カバーの「Kakeroma」、急遽選曲に加えられたピチカートの技巧が冴える「Dawn」、弓弾きの魅力がたっぷりと味わえる「Voyage」。東日本大震災後に作曲した「Pray For Japan」は、文字通り復興を祈る2人の魂が響き合いながら、感動的な瞬間を現出する。ルベーン・ゴンサーレス作曲の「Como Siento Yo」は、安ヵ川の旋律嗜好を示す好例。アルコの多用を本作のテーマとした安ヵ川は、最後の表題曲でも本領を発揮して締めくくる。それぞれにとっての新境地に到達した、初めてのピアノ&ベース・デュオ作である。

2012.2 杉田宏樹

 

             


 

Design


北川正 (Kitagawa Design Office)

 

 





 

 

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